趣味のフルート~花形ソロ楽器でオケの看板奏者のありさ

趣味のフルート~花形ソロ楽器でオケの看板奏者のありさ
趣味のフルート~花形ソロ楽器でオケの看板奏者のありさ

ありさは趣味でフルートをやっていました。ピアノに次ぐ二番目にやった楽器で、趣味では一番長くやる事になります。花形ソロ楽器でオケの看板奏者のありさ。

目次

フルートの魅力

私はピアノを除けばフルートが趣味で一番長くやっている楽器です。ブラス経験はほぼなくオケで活動しています。

最初はピアノ

私は記憶の無い幼少時からピアノをやっていました。

ピアノは沢山練習しなくてはなりません。子供時代の莫大な時間を奪ってしまうので賛否両論があります。かといって子供が自分で判断できるようになるまで待つと、ピアノの学習開始には遅すぎるので、親が決めなくてはいけません。小室哲哉が鍵盤学習としては遅い小5からエレクトーンを始めましたが、あれは3歳からヴァイオリンをやっていたからなんとかなったんじゃないかと思います。

ベートーベンの伝記を読むまでもなく、幼少期の楽器の練習は本当に嫌です。他のコはみんな遊んでいるのに、自分だけ遊んで練習しなくてはならないのです。私も嫌で嫌で仕方ありませんでした。でも今では親に感謝しています。

フルートとの出会い

私はたまたまうちに遊びに来ていたフルート奏者さん=後に私の先生に小4でU字管、小6で普通のフルートを習い始めます。最初はただの遊びでした。

管楽器は管の長さでピッチが決まるので勝手に短く出来ませんが、フルートの頭側をU字にして子供でも手が全部届くようにした少年用の入門楽器があります。正直あんまり練習にはなりませんが、やんないよりはいいのかなと思います。(ヤマハ YFL-212U)

休みがある譜面にびっくり?!

ピアノっていうのは基本ずっと弾きっぱなしです。連弾とかでも普通はずっと弾いています。フルートもソロだとずっと吹いていることが多いのですが、私は先生のやっているオケに憧れて、オケの譜面を見せてもらいました。私はびっくりしました。なんと何小節も続く休みがあるのです。知識では知っていましたが、私は全休符というのを初めて見ました。しかも上に45とか書いてあって、45小節もの長大な休みがあるのです。

私はテレビでオケの放送を見ました。ホントだ!なんと楽器を膝に置いて吹くのを休んでるじゃありませんか?小学校でやるリコーダーも基本ずっと吹いている譜面ばかりでした。ピアノだけしかやってこなかった私にはこの休みのある譜面が青天霹靂でした。

譜面=それぞれの担当楽器の楽譜のこと。

ブラスではなくオケ

趣味の管弦楽器はいろんな楽しみ方があると思います。私は最初からオケを選びました。理由は簡単~憧れの先生がオケだったからw

オケのフルート吹きというのが花形ソロ楽器です。観客はともかく、100人程の味方?=オケ演奏者の中で、とても目立つ自分のソロを吹くんです。オケの全楽器の中でもフルートは運指も奏法もとても簡単と言われています。

ブラスのフルートは1つの譜面を数人で吹きますが、オケでは1つの譜面を1人で担当します。

しかし、それは先生に教わったから実現できる事だと後で知りました。瓶の口に息を吹き当てて音を鳴らしたことがありますか?決まった息の吹き込み方でないと音出ませんよね?発生原理があれと同じフルートでも同じことが起こります。大きな音を出すのも、きれいな音色を出すのも、息の吹き入れ方次第。フルートの歌口に息を入れる角度は厳密に決まっています。独学だとこれをなかなか修得できません。私は最初から先生に教わっていたので自然と最初から教え込まれていました。これは幸運でした。

後で知りますが、アマチュアできちんとフルートの発声が出来る人はあんまりいません。私はラッキーでした。

ブラス=ブラスバンドのこと。管打楽器。
オケ=オーケストラのこと。管弦打楽器。

私は1人1譜面のオケの方が断然面白いし美味しいと思うのですが、ブラスの方はそれが恐いからやりたくないという方も多いみたいです。どちらがいいというのではなく考え方の違いです。

オケデビューは2nd

オーディションがある

私の中学にはブラスはあったけどオケはありませんでした。先生に紹介してもらって市民オケのオーディションを受けます。会場に来ている団員だけでいいものの1人でも反対があると入れないルールでした。

ブラスのフルートは人数が多いので比較的簡単に入れます。しかしオケのフルートは、古い曲だと1人、わりと最近の曲でも3人、しかも3rdさんはピッコロと持ち替えだったりして、当時ピッコロはまだ出来ない私には、事実上オケで2枠しかないことになります。しかしも奏者人口の多いフルート。空きもなかなか出ず、競争率は激しく、入りにくい世界です。

私はピアノで演奏会経験もあるので演奏であんまり緊張しない方なのですが、フルートは初心者。とても緊張しました。

入れた!

普通オーディションだと予めやる曲が指定されてて練習出来ます。みんなオケ曲のフルートソロ部分とかばっか。他の4人みんなうまいです。あー私ムリだなーってしょぼーんとしていました。

このオケのオーディション。その場で譜面を渡されてこれちょっと吹いてみてっていうのがあります。そう事前予告されてます。渡された譜面は牧神の冒頭でした。あーこれレッスンやったことある!これ得意でーす(≧▽≦) みんながこっち見ます。え?@@

ベルリンフィルの公式PR動画ですが、今まで華やかな高音中心のソロ曲ばかりでしたが、この曲の冒頭はフルートの中低音の魅力を聴かせるソロです。他の人がみんな一気にボロボロになりました。私は初めて拍手をもらいました。「君ホントに中2なの?」私の入団が決まりました。

華やかな高音はわりと簡単と言えば簡単なのですが、楽器の金属の影響も多分に受けます。私の楽器は安い銅製。対して他の人は銀や金の楽器です。低音は銅でも鳴りすぎる位出せますが、高音の華やかな音色は金属の値段に比例する感じです。私はまだこの違いが分かる力量は当時ありませんでした。
(YAMAHA YFL-212LRS)

牧神=ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
Debussy:Prélude à l’après-midi d’un faune
超有名な印象派の代表曲です。
フルート吹きにとっては滅茶苦茶美味しい曲ですが、裏を返せば余程自信が無い限りは恐ろしすぎるソロです。今でも思い出しますが意地悪なオケですw 3年後に吹かせてもらう想い出の曲です。

オケデビューは2ndから~めっちゃ面白い!

入っても1stなんてまだやらせてもらえません。2ndフルートからです。

音楽の世界は今の私が言うのもなんですが、上下関係はとても厳しいです。新人で初心者の私はアマオケですが敬語、発言権なんてありません。

しかし2ndで色々な事を学びます。そもそも私はオケが何であんなにぴったり息が合って演奏できるのか知りませんでした。ピアノ弾き出身者あるあるなんですが、そもそも指揮者ってなんの?って感じw

私はアンサンブル~ピアノ伴奏さんと私のフルートの二重奏~をよくやるようになりますが、伴奏=おまけだと思っていました。いつもの同じアマチュアのピアノさんがたまたまインフルエンザで休んで、プロの方がやってくれたんです。そこで言われました。「あなたピアノ聴いて吹いてないでしょ?」「え?私も合わせるの?」私は二重奏=アンサンブル奏者が対等であることを知りました。当たり前なんですけど知りませんでした。

オーケストラでも同じことが行われています。木管楽器は中央に4楽器が中央に集まっています。各1stは音で連絡を取りあっています。音が無い部分ではザツ(楽器や体を揺らしたりして合図)を出します。木管楽器の2ndは各楽器の1stに従います。木管はフルート1stを中心に指揮者との連携を図っています。同じように金管楽器、弦楽器、打楽器でも各トップ同士で連絡を取り合っています。弦楽器は沢山の人数がいますが、トップ(一番指揮者の近くにいるパートリーダー)の合図に従っています。100人近い団体が、楽曲の進行に合わせて要所要所で連絡を取り合って、作曲者の意向を再現していきます。

オーケストラのヴァイオリンは1stと2ndに16人ずつ。私の座っている2ndフルートの目の前が2ndヴァイオリンの方々なのですが、最初呆然としちゃうくらいに感動しました。指揮者は全体をまとめるプロですが、各楽器は管弦楽法などで勉強しただけでアマチュアです。練習で指揮者さんが、この部分もっとこういう風にならないかなー?ってコンマス(1stヴァイオリンのトップ、女ならコンミス)に相談します。そうすると分かりましたじゃーこうしましょうと自分のボーイング(弓の動かし方、譜面に書き入れる、ギターでのタブのようなもの、音に明確に反映される)を鉛筆で変更します。そうすると2ndヴァイオリンのトップもそれを見て変えたりもします。それぞれ後ろに従えた15人は2人ずつ1つの譜面を使って組(プルト)になって順番に並んでいますが、書き変わった前の譜面を後ろの人が覗き込んで自分の譜面のボーイングの印を書き換えていきます。ぱーっと後ろまで伝わるのに30秒くらい。早い!休んでる人には後でコピーするそうです。指揮者も分かっていて各弦楽器のボーイングの書き換えが一番後ろまで終わったのを見て、じゃ練習番号何番からと指揮棒を上げます。

オケってすごいな@@;

弦楽器、特にヴァイオリンは人数が多いし習熟も難しくて楽器も高価なのに、オケでは湯水のように人数いるんですよね。この湯水のようにって茂木さんが使ってた言葉で、なんか管楽器視点で言い当ててて好きな表現ですねw
(茂木大輔:決定版オーケストラ楽器別人間学(中公文庫)Kindle版)

和声の基礎

私にも1stフルートのおじさんはアドバイスをいっぱい言ってくれます。今では常識なんですが当時の私には青天霹靂だったのが音程です。ピアノは演奏中に原則ピッチを変えることが出来ません。

しかしドミソの3つの音を3つの楽器で合わせる時、ミの音を少し低くしないとワンワン言うの知ってますか?ドミ♭ソのならミ♭の音を少し高くします。こういうのは金管楽器でやるもんだと思っていましたが、オケでは弦楽器も木管楽器も3度や7度のピッチを変えるんです。ピッチを変えられるように出来ている楽器なんで、当たり前のことなんですが私は知りませんでした。なんて離れ業をやってるんだと思いました。フルートの個人練習でチューナー(音程を測る電子機械)でピアノと同じピッチに合わせれば正解と思っていた私にはショックでした。

現代楽器の例えばギターはフレットでピッチが決まってしまうのでフィンガーボード上でのピッチ調整は出来ませんがヴァイオリンとかはフレットないんで自由にピッチ変えられるんですよ。プロオケじゃないんで完璧ではないですが、それでも大体合ってます。私は分からないんで自分の譜面に↑↓を書くようになりました。

そして初めて1stフルートを吹かせてもらって更に衝撃のアドバイス。
「ありさちゃん、そこのピッチありさちゃんで正しいんだけど、今の1stオーボエさんこの音必ず少し高いんだよ。少し高く吹いてもらっていい?」
「え?他とピッチ外れちゃいますよ?」
「いやうちらアマチュアだからさ。オーボエさんと2人でソリ(複数人数でのソロ)だから観客さんに音ズレに聞こえちゃうでしょ?その方がマズいんだよ」
「えw 分かりました><」
「ごめんね。その音マリゴだとピッチ下げにくいんだよ」

は?私この自分のヤマハすらイマイチよく分かってないのに、他の楽器の癖まで知ってるの?この人バケモンなの?

楽器の難しさ:楽器を初めてやる難しさの話はここでは除外します。ある程度習熟した奏者にとっての難易度の話です。
楽器の難しさとは、自分で調整がパットすぐ出来るか出来ないかだと私は思います。フルートやヴァイオリンは習熟すればすぐに音程や音色を変えられますが、オーボエや木琴などはかなり習熟しても音程調整が難しかったりします。これはその楽器の一般的な特性によるもので、それらを作曲者などが事前に知っておくために「管弦楽法」という1つの教科に纏められているくらいです。作曲科では多くの音大で必修です。

このオケで良かった

私はこのオケ入れて良かったと思いましたね。その後、私の趣味人生でこんなハイレベルな市民オケはありません。そもそも人不足な弦楽器がこれだけ練習にもいっぱい来るアマオケにも、私はその後巡りあっていません。

人間関係も勉強

オケは100人もいますからね。市民オケとはいえ、人間関係もいろいろありました。人間関係の揉め事や面白い事件などは学生オケの方がいっぱいあるんでしょうね。私はやがて木管責任者になりますが、様々な人間模様を見て社会勉強にもなりました。

後に学校や会社、経営して今に至るまでの人間関係処理が得意になったのもオケのお陰です。

1stメインデビュー イギリス

こんな楽しく色々学べるオケ。私は2ndでも十分楽しかったですけど、やはりフルート。1stもやってみたいですよね。でも今まで飛ばさず読んで下さった方なら分かりますよね?ここのフルートパートで1stをもらうっていうのは大役ですよw 自分からやりたいとは言えませんでしたねー^^;

次の1stやってみる?

前プロや中プロでは1stちょこちょこやらせてもらってたんですけど、メイン曲では1stまだやったことがありません。私は打ち上げでもまだ飲めないんでオレンジジュースとかなんですけど、クラリネットのおっちゃんにビール注いでて
「ありさちゃん凄いうまくなったよねー。ワイありさちゃんのソロ聴きたいなー!」
「あははー!そりゃやってみたいですけど〇〇さん的に私まだムリっすよー」
(Muramatsu DS)

そしたら隣にいたんですよねw
あちゃーって思ったけど「まだ印刷変更間に合うよね?じゃ次やってみる?お願いね^^」ってw

「(ノ・ω・)ノオオオォォォ- イギリスデビューなんてすげーw」
「やったー!ありがとうございます(≧▽≦)」
イギリスってどんな曲だっけ?ま、いっかー^^

アマチュアオケの演奏会は3曲で構成されることが多いです。
前プロ:3曲の場合の1曲目の演目です。前奏曲とか短い曲が多いです。
中プロ:3曲の場合の2曲目の演目です。組曲や協奏曲が多いです。
メイン:最後の演目です。交響曲が多いです。
アンコール:アマオケでは用意して練習しているせいか、あんまり拍手が無くてもやることが多いですw

音大ではプログラムの組み方っていうか選曲の仕方などの講義や実習などもありますが、アマチュアでは基本やりたい曲をやります。各楽器にとって美味しい曲は違うので、各楽器の代表が駆け引きみたいな会議をして曲を決めます。市民オケはこれは次にまわそうとか出来ますが、学生オケは学年が繰り上がってしまって自分が吹けるチャンスが限られているので、熾烈な選曲らしいです。同じ学生オケで同じような曲を何度もやるのはこのためです。

イギリス~ドボ8

帰宅してイギリス聞いてみました。4楽章で私は青ざめました。フルートソロ部分のベルリンフィルの公式PR動画です。

忘れもしないドヴォルザーク交響曲第8番「イギリス」4楽章の練習番号D。クラシックを少し齧ったことがあれば誰でも知っている名曲の、その中で恐らく一番有名なフルートソロ。

フルートはどんなに頑張っても金管や弦の音量に勝てないので、どの作曲家もブラームスやマーラーとかのように徐々に音量を下げていってフルートソロに入ります。しかしこの曲、全体合奏が突然終わって、スポットライトを急に浴びたかのようにフルートソロが突然始まります。これは(奏者としては)美味しい。そんな難しそうな運指には思えないけど、聞いた演奏は奏者がとても苦しそう。上の動画も世界に名立たるベルリンフィルでフルート吹きなら知らない人はいない著名なソリストさん。(鮮やかな音色に比してクールな演奏に定評のある方です)。なのに物凄い無茶な息継ぎをしています。そんなに辛いソロなの?えらいこっちゃー。

ドボ8=ドヴォルザーク交響曲第8番「イギリス」の略称。
市民オケやプロではあんまドボ8とは略さないんですが、学生オケではドボ8と略すのが通例らしくて、学生オケ出身者を中心に市民オケでもドボ8という事があります。

ドヴォルザークは奏者が面白い譜面

ドヴォルザークはオケメンなら大好きです。聴く人にとっても名曲が多いのですが、ドヴォルザークは演奏しても面白い譜面なんです。

名曲でも演奏する奏者にとってあんまり面白くない曲も沢山あります。例えばワルキューレの騎行などで有名なワーグナーは和音的に足りない音を空いてる木管楽器にも割り振ったりするので(オペラ曲は概してみんなそうです)、物凄く滅茶苦茶な譜面のわりに金管楽器などに消されて全体の響きだけを求められているので、あんま楽しくありません。その点、美しい旋律のオンパレードのドヴォルザークはどの楽器もとても演奏していて楽しいです。

私は演奏する人なので、聴いてかっこいいだけの曲もいいですが、演奏しても楽しい曲の方が好きですね。

現代曲でもそうです。例えばバンドの楽しさがテーマのけいおん!のアニメ曲は、聞いて楽しいだけでなく、各奏者が弾いても楽しめるように各パートが作られています。川口進さんに感謝。
曲の全体像が頭で描ける人は各パートを面白く描ける事が多いです。対して、自分のやっている楽器以外に理解があまりないと他パートは物凄くつまらなくなることが多い気がします。

誰もが首席が吹くと思ってるハズ

私の心配は的中しました。このソロはフルートのソロとしては難しい方ではありません。先生に連絡して教えてもらったのですが、ドヴォルザーク8番のフルートソロは小さい部屋でやれば結構楽。しかし大きいホールだと、ホールの一番奥まで音を届けないといけません。その音量維持して、このソロを吹ききるのが難しいとのこと。

この演奏会場は関西ではとても大きな方なのです。私は銀のフルートに変えたばかり。後で使う金製が少女漫画で花がいっぱい描いてあるように華やかなのに対し、銀製は味わいある深い音色が印象的でとても気に入っています。しかし、フルート奏者でないと分からないかもしれませんが、体感的に今までの銅の楽器の倍の息が要ります。科学的に測定したら僅かな差でしょう。でも今まで限界と思っていた更に上の息が要るのです。倍に感じます。高音の音量が出しやすい代わりに、物凄い肺活量が要求されます。(後で分かりますが、金はもっと息が要りますw)

そしてなにより、このソロはうちの首席が吹くと誰もが思っているということです。1楽章が始まって首席が左の2ndに座ったら、みんなその時点でがっかりするでしょう。1stに座っているこんな小さいガキ~お前この曲吹ききれると思ってるの?なんでお前なんだよ。がっかりだよ。

そう言う声が今から聞こえてきそうです。

フルートの物凄いソロ曲でも誰が吹いたかなんて普通は書かれませんが、この曲のいくつかのCDや配信には、フルートソロ誰々って書かれています。そういう曲なんです。

阪響やN響のフルートは下手じゃない~プロ奏者の使命

阪響やN響のフルート奏者が下手だという人がいます。私も実はそう思っていました。なんであんなに吹き方が荒いんでしょう?自分でフルートをやるまでそれは分かりませんでした。

日本でトップクラスのプロオケにして、奏者は有名音楽大学などの名誉教授クラス。その楽器をやっていればその名は知らない人がいない日本を代表するプロ奏者の方々です。

先程のベルリンフィルの公式演奏のホール。指揮者の後ろにたまに見える客席が結構近いのが分かるでしょうか?あと、そうですね、中国クラシック界を代表する上海交響楽団のゲーム原神の収録ホールの動画。(miHoYo原神-Genshin-公式~璃月港オリジナル・サウンドトラック収録映像)

海外の収録を伴う演奏は比較的小さめのホールで行われることが多いです。対して日本はスケジュールが過密な事もあってか、巨大なホールでのお客さんを入れた演奏会をそのまま放送することが多いです。N響の撮影は物凄い数のカメラを使って切り替えも世界的に有名です。しかし、自分がその演奏会に行って見ていると、まずい場所を映していない事にも気づきます。しかし例えばこのドヴォルザーク8番のソロ。この曲のハイライトを映さないわけにはいきません。

プロはアマチュア観衆様に披露する以前に、他のプロの方々に披露することにもなります。プロ奏者はその演奏場所の一番奥の席まで、例えその席が安かろうと、きちんと音を響き伝えることが使命です。もうちょっと小さく吹けば、息継ぎはとても楽になって、無理のない美しい演奏になります。サントリーホールは兎も角、NHKホールで少し吹いてみたことがありますが、ほとんどいじめのような広さです。

この練習番号Cのソロは8小節ずつの繰り返しの譜面で1番奏者(1st Flute)1人だけでソロを吹きます。その昔、この繰り返し部分の1括弧2括弧部分の1小節を、2ndに分担して1stが休んで大きく息を吸う時間を3回確保している映像が話題になりました。楽そうに聞こえますが、これはアマチュアでやるときっちり繋げることが出来ずリスクが大きく、プロだからこそ出来る方法だとも言えます。

1つのメロディーの分担:
スメタナの我が祖国のモルダウで冒頭のフルート(後にクラリネットも参加)の音階の連続。あれって1stと2ndフルート/クラリネットの二人ずつが1小節ずつ交互に吹く譜面なのをご存じでしょうか。息継ぎが存在する管楽器ならではの分担です。あれ合わせる練習を全くやっていないと、プロでも繋がったように聞こえません。フルート/クラリネット奏者には有名な難所です。スメタナの初演事情は私は知りませんが、奏者の希望でないとしたら、あれ初演の譜面見た奏者さんはびっくりしたでしょうねw まーチェコの作曲家ってこんなんばっかだけどね>< (関西フィルハーモニー管弦楽団~連作交響詩『我が祖国』から交響詩『モルダウ』BSテレ東公式)

大きなおたまじゃくし~協会譜

小さなスコアを買って先に練習していて、演奏会用の譜面が届いてびっくりしたのも覚えています。何がびっくりしたって、すっごい音符の玉が大きかったんです。なんか全部すごい簡単に思えちゃうような大きなおたまじゃくしの譜面で、ドヴォルザークのオケ曲を初めてやる私はすっごいびっくりして笑い転げちゃった記憶があります^^;

スコアの話ではなく譜面(各パートが実際に演奏で使用する楽譜)の当時の話です。ベーレンライタープラハ版の譜面は最大半年の貸譜のみで、うちは練習期間が短いのでいいのですが、練習期間が半年以上長いアマチュアオケさんだと厳しいかもしれませんよね。
ベーレンライタープラハ版の新譜と当時私たちが呼んでいた譜面(一般的な呼び方ではありません)のおたまじゃくしが特徴的でした。私はピアノ出なんで譜面パッと見で読みますが、あれ初見だと音間違うかもなー^^;

ソロ直後にブラボー!

私はレッスンにそんなに頻繁に行かない悪いコだったのですが、先生に無理やり頼み込んでレッスンに行きました。銀のフルートも私には高かったんですよ。お金ぴーぴーの私にレッスン代は高くてね~。当時で大体30分で1万円超え。でも行きましたね。ここでレッスン代使わなきゃいつ使うんだって感じw

舞台袖で演奏会中のアラームを消したりしてねとかの休憩終了時の会場説明が流れ、照明が落ちて舞台の照明が上がりました。フルートは下手から入ります。普段緊張しない私の足が震えてきました。うちの首席さん(2nd)はにっこり。2ndは1楽章冒頭部分にピッコロに少し持ち替えるのでピッコロも持っています。クラリネットの1stのおじさん隣で「ありささんのロングきれいよなー」って言うんで私は「エロおやじ!」と返して笑いが起こりました。なんか吹っ切れました。クラのトップさんありがと!

4楽章冒頭のトランペット2本のファンファーレが始まりました。フルートは練習番号Cまで(繰り返しを数えず)58小節間ずっとお休み。指揮者さんはプロ。練習番号Cの合奏になり(動画0:00)、練習番号D前の71小節からのVa(ヴィオラ)Vc(チェロ)Ob(オーボエ)Cl(クラリネット)のうねりあがるような上昇音階(動画0:11~0:13)にいっていた棒と目線が・・73小節(練習番号D直前2小節前。動画0:14)で私に目線が来ます。

合奏部分最後のGの音の余韻とか考えずに私は切り上げ、大きく息を吸います。(余韻は2ndさんが大きく鳴らし、フルートとして放棄しているわけではありません)。Tpさんだけの付点の後拍を聴いて、私のソロが始まります(動画0:15)。私のソロはピアノ(弱く)ですが、トレモロとかのVn(ヴァイオリン)Va(ヴィオラ)はピアニッシモ(ごく弱く)。ソロ前半の繰り返しが終わって84小節からソロ後半(動画0:29)。私は息の苦しさにちょっと転びましたが、Vcのピッチカートは完璧にそれに合わせて弦を弾いてくれます。気持ちいい。ソロ最後の繰り返し。ちらっと眼を上げて見た指揮者の目が笑っていました。やったね!って言ってくれたんですね。ありがとうございます><

ソロが終わって速度指定が126から116に戻り、また合奏になる一瞬(動画0:43)。客席で誰かおっさんが立ち上がってブラボーと一言。拍手もありました。関西ならではでしょうねw 練習番号F~112小節(動画01:01)で合奏が終わり、フルートは132小節(動画1:22)まで少し休み。楽器を膝に落とした私の膝を首席さんがポンとしました。このポン嬉しかった。

私はドヴォルザークの作曲背景や自筆譜がどうとか詳しく知りません。奏者として楽譜で接しているだけです。でも前後の合奏部分の速度指定が116なのに対して、フルートソロ部分だけ126とちょっと早いんです。ソロ部分の軽快さを出すためだけかもしれませんが、私はドヴォルザークの優しさかなって思うんです。私がフルート吹きだからそう思うだけですかねw

オケは楽しい

看板娘にw

看板娘っていうとなんか料理屋さんみたいですけど、なんかオケの看板娘って呼ばれるようになりました。このオケのフルートうまいから是非聴きに来て!みたいなw

いろいろ好きな意見も言えるようになりました。オケのフルートは気が強くないと出来ないって言われてるけど、まー当たってますね。気弱だと出来ないかも。気の強い私の出来上がりです。私のムダに気が強い性格は私がフルート吹きだったからなんですね^^;

そんな華奢でどっからそんなパワフルな音が出せるの?って言われるけど、さっきも書いたけど正しい息の入れ方をすれば誰だって出せるんですよね。みんなやらないだけです。フルートはこの息の入れ方が難しいので独学じゃなくて始めだけでもプロにレッスンに行った方がいいと私は思います。ある程度上手くなっていくんじゃなくて初めに行くのがコツです。

首席~木管責

それから1stを半々くらいでやらせてもらうようになって、3年後に首席に、4年後に木管責になりました。別に偉くなったとかじゃなくて、パート内では和気藹々と均等なんですけど、対外的に(フルート以外とのやり取りっていう意味で)色々な役割をやるようになったっていうか、そんな感じです。

東京の大学に行くつもりだったんですけど、家庭事情で行けなかったんで、このオケにはだいぶ長くいましたね。フルート吹きとしての私のファンの方とかも出来て嬉しかったです^^

ピッコロ

ピッコロを買いました。本当は金のフルートを先に欲しかったんですけど、欲しいモデルは高くて断念です。2ndフルートがpicc(ピッコロ)持ち替えの曲って結構あるので必要でした。木管楽器って普段の練習で音程とかを楽器に覚えさせていくんで、あんまり貸し借りしたくないんですよね。まー木管以外も同じかw

とはいえピッコロは小さいので高いんです。ピッコロはフルートのオクターブ上なので、模型的に言えば1/2スケールってことです。つまり音程や音色にかかわる加工部分で、フルートで1mmならピッコロでは0.5mm相当。単純に言っても2倍の精度がいる上に、欲しいのは木の楽器。加工の難しさが格段に跳ね上がります。オーボエと同じく細い木に金属のネジをいくつも打ってるんで、唾からの乾燥の具合や温度変化で本管が割れたりします。学生の頃はピッコロを抱っこして寝たりしてました。

フルートは金属の値段で大体の値段が決まりますが、ピッコロは運って感じ。何百本の薔薇の木とかから作って、鳴ってくれる楽器はほんの僅か。いいのがあったらいくらでも出すって感じの世界。でもそんなお金当時は無いですからね。ハンミッヒは昔の東ドイツのメーカーでピッコロとしては安くてお買い得なんです!(Hammig 650/4)

北京

就職して間もなく私は少し北京にいました。最初、中国語はほとんど分かりませんでしたが、オケの門を叩いたらピッコロがあるなら歓迎と入れてもらえました。フルート人口は多いけど、ピッコロ持ってない人多いんですよね。ラッキーでした^^

やがてフルートの方も少し認めてもらえて、フルートだけのパートもたまに吹かせてもらえました。

東京

東京でもピッコロ持ってるならいいよって所に入れてもらいました。やがて正式団員から外れて人が足りない時に出るヘルプの準団員になりました。アマチュアでも気軽に出れなくなっちゃったんです。

憧れだった金のフルートを手に入れて、ピッコロも少しいいのを手に入れたんですけど、オケには最近はあんまり出ていません。毎日練習しなくなってソノリテとかの日課もやらなくなっちゃったんで腕は落ちちゃったよねw それでもいいよって所でたまーに出させてもらっています^^;
(世界のフルート吹きのほとんど誰もが使うフルート教本~MOYSE : DE LA SONORITE ART ET TECHNIQUE FLUTE TRAV)

フルートの引退は早い

フルートは腹式呼吸

フルートやピッコロって管楽器なんで腹式呼吸は当たり前なんですけど、たぶん皆さんが思ってよりも物凄く肺活量が要るんです。スポーツで測定する肺活量の量の多さっていうか何て言うのかな、息すっごい要るんです。

華やかな音の金属の楽器の方が息が要ります。慣れると胴の楽器は変に鳴りすぎて困るくらい楽器が受け止められないんで、早く買い替えになります。でも銀にすると、胴の倍くらい息が要ります。金も銀の2倍くらい息が要ります。プラチナはもっと息が要るみたいですが、あんま使ってないので分かりません。プラチナのフルートってすっごい重いんですよw なんで持ってはいるけど使わないで飾ってあります^^;

つまりあんま歳までは出来ない

何が言いたいかというと腹式呼吸で横隔膜を使うので、加齢で筋力の衰えで早くに吹けなくなります。ピアノもそうですよね。手指の力で鍵盤を通して弦を叩いているので、手指の筋力の衰えで、早くに出来なくなります。比較は弦楽器です。出来なくはないんだけど、鍵盤も管楽器もいわゆる上手い音が出来なくなるのが、弦楽器に比べて早いです。

弦楽器にすればよかった

鍵盤楽器や管楽器に比べて弦楽器はけっこう歳まで衰えが少なく出来ます。私は極めたのはピアノとフルートなんで、ヴィオラとかギターとか弦楽器にすれば良かったかなーって後悔しています。

タブ譜起こしたり入力するのにギターとベースは少しやったんですけどダメですねー。遊びでバンドで合わせるくらいで人様に聞かせるレベルではありませんね。あとウクレレもちょびっとやりました。目指せ高木ブーさんですよねw

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